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コンピューターのOSはいろいろあってしかるべき。抜群の安定性と、無料ソースが特徴のリナックス系は実に素晴らしいOSだ。取り扱いの難しさが欠点だったが、やっと「Lycoris」と「Lindows」という使いやすいOSが登場した。このページは素人が実験機にインストールして日常使用にもっていくことを目指す。
評論編 > リナックス日記 |
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| どうしてリナックスを選ぶのか
コンピュータの世界はいつの間にかウィンドウズ全盛になってしまった。だがウィルスに弱いのは市場を独占しているからである。畑での単一栽培が病気や害虫を蔓延させるのと同様に世界中にウィンドウズXPばかりがあふれているために、ハッカーたちの攻撃の的になってしまった。 もし世界中のOSが多様化し、3種類から5種類ぐらいのOSがほぼ同じ勢力で使われるようであれば、自由競争によってそれぞれの性能はどんどん上がるだろうし、ハッカーたちも攻撃目標の選定に大いに困るに違いない。また、アプリケーションを作るメーカーもどのタイプのOSにも通用するソフトを一生懸命開発するだろうし、この作業の繁雑さが、世界統一規格への動きを加速させるだろう。 リナックスは十数年前に発明されたが、発明者はソースを公開するというという、どん欲にあふれかえる現代社会ではとても信じられないような太っ腹な人だったので大勢の人々がこれに改良を加え現在に至っている。だが、コンピュータ技術者や相当のマニアでなければ理解できない、UNIX系統の難しい理論をわかっていなければならないため、一般に広がることはなかった。 それでも各社がより使いやすいようにと、それぞれに工夫をこなし、Linuxを核としながらも素人でも使えるものを目指して様々なOSを発表してきた。これらの会社をディストリビューターという。もっとも有名なものは、Red Hat と呼ばれるOSであり、さらにフランス生まれのMandrake 、さらにTurbo Linux, Vine Linux などの名前が挙げられる。コンピュータ関係書籍を扱う本屋では必ずこれらの名前に出会うことだろう。だが、まだこれでも素人には扱いが難しかった。 本格的に一般人がLinuxに手を染めることができそうに思われたのは、Lindowsの発表以後であろう。このふざけた名前は、誰でもがWindowsとLinuxを掛け合わせたものとわかってしまい、実際マイクロソフト社から名称を勝手に使ったということで訴訟を起こされたこともある(判決では今後も使ってもいいとのこと)。Lindowsは、ウィンドウズそっくりののアプリケーションを使用することができるということだ。これは一大事である。抜群の安定性を備えていて、しかも多種多様なソフトを使えるとなればこれに勝るものはない。日本語版もできた。ただ、素人にとってはまだ多くの難関が待ち受けている。 もっとも新しいのが2000年に発表されたLycorisである。この名を知っている日本人はマニアや専門家以外にはほとんどいないだろう。ましてやその使い勝手を試してみた人はまずいるまい。この最新のLinux系OSはどのような可能性を秘めているか。果たしてアメリカのコンピュータ雑誌が賞賛しているような性能を持っているのか。脱ウィンドウズは今始まったばかりだ。 Lycoris から Mandriva へ
この売り上げに気をよくしてか、さらに東芝製のタブレットPC(キーボードなしでもタッチスクリーンによって入力できる形式)による新製品も出している。ただしこれらを日本で入手することは難しいだろう。第一、カナ入力ができない。 世界中で手に入れることのできるのは、CDに入った「Lycoris Desktop/lx 」(英語版のみ)である。今は第3回目のアップデートされたものになっているが、価格は40ドルだから、送料を含めて、5000円内外ですむ。購入はインターネットからすぐできる。クレジットカードの番号とを記入すればよい。注文後、約1週間で自宅に到着した。他には、ゲームソフト、事務所用のソフトを別売りしている。問題はどんな機種にインストールできるかだ。たいていの人は、自分のコンピュータにパーティションをもうけて、その部分にこのLycorisを入れて試しに使ってみようとするらしい。 中には新たにパソコンを手に入れて、それをLycoris専用にする人もいるだろう。私もその一人だ。実は最初にWin98の入っていた機種に試しにインストールしてみたものの、動作が遅く使いものにならないことがわかったからだ。 Lycorisのホームページにはどんな機種がこのOSと適合しているか、%表示で示してある。100%なら完全適合。80%ならまあまあ。60%以下ならやめた方がいいだろう。ただし紹介されている機種はアメリカ国内で販売されているものなので、日本のメーカーではバイオなど、わずかしかない。 有望なのは、日本でも販売されている、IBM、Compaq, Dellなどの機種である。その名の通り、元々はデスクトップ用として開発されたものだが、ラップトップでも使えないわけではない。まずはLycorisのページを丹念に一読されたい。まずは表紙にある、Desktop/lx Tourをクリックして、全体の性能を一巡りして知ることが必要だ。 Mandriva への合併このようにユニークなLycoris ではあったがいくつかのリナックス関係の会社が各国にまたがって合併してMandriva さて実験機を手に入れるためには、中古品がもっとも適している。万が一使いものにならなかったときのためになるべく安いものを。そして、できたら「OSなし」のものを。これはすでにウィンドウズがインストールされているものに比べて相当安いし、何よりも使いもしないOS料金をマイクロソフトに支払うことになる。
秋葉原の中古品屋を巡り歩いた結果、IBMのThink Pad A20mを見つけた。これは上記のスペックにすべてかなう。カタログを見るとRAMが64Mbとあったのだが、前の持ち主が交換したらしく、128Mbになっている。6万円。 元々はWIN2000またはWIN98 Second Edition が入っていたわけで、製造・販売は2000年頃。持ち主が手放したあと、IBMで点検整備し「Refreshed 」と銘打って売り出したもので、ハードの故障については保証がきく。 OS無しのため、店の人からインストールしたあとの問題はすべて自分の責任だとクギをさされた。家に持ち帰った先はどうなるかわからない、相当の冒険である。OSが入っていないPCなんてただの箱に過ぎない。 インストール
ライセンスに同意するかのおきまりの質問のあと、シリアル番号を入れるとそのあとはスムーズに進む。というのはコンピュータの内部をこの賢いCDがくまなく調査して、必要な情報を入手してくれるからだ。 フロッピー、PCカード、CDについてはこの調子でOS内に情報が取り込まれ、将来の使用に向けて準備が進む。ビデオカード、サウンドカード、モデムの有無、などもいずれも自動的に調べてくれる。面倒なのはディスプレィのコントラストと明度調節である。これは自分の目で、一番気に入った度合いを決めなければならない。 このあと時刻、パーティションの有無、パスワードを決定する内インストールが進み、わずか45分ほどで全体が終了する。このスムーズさは、ウィンドウズのCDリカバリーによって再インストールする場合に匹敵するほどだ。専門的知識はほとんどいらないといってよい。 コンピュータの始動
最初に現れたのは、ウィンドウズXPを思わせる、丘と青空。デスクトップの背景写真は4パターン合って、飽きたら次々とボタン一つで取り替えることができる。相当数の写真が前もって用意してあるし、自分でフロッピィーに入れてある画像を背景に使うこともできた。 CDプレーヤーの機能はOK。CDを差し込むとリナックス系統で開発した独自のプレーヤーソフトが現れて、演奏を開始する。使い勝手はウィンドーズのものと変わらない。デスクトップ左上には4つのアイコンがあり、上から順にフロッピィーやPCカード、CDの使用状況を知らせる「My Linux System 」、その下が「Network Browser 」で使用目的が今ひとつはっきりしない。その下は「Personal Files 」でウェブ、画像、音楽別の3つのファイルが入っている。一番下は「ゴミ箱」。 使用を終えるときは一番下の「花のマーク」をクリックするか、一番左側の専用のマークをクリックするか、デスクトップの真ん中で右ボタンをクリックして、Log out をクリックするかの3通りが可能である。とりあえずLog out するが、そのあと「再起動」「シャットダウン」のいずれかを再び選んで、コンピュータは機能を停止する。 ADSLによる接続
インターネットに接続すると、スムーズな画面が現れた。英語版だから、今のところはアルファベットの文字しか写らないが、表示スピードはXPと変わらない、いやむしろ早いくらいだ。 特に広告が多く、非常に重いサイト、たとえばタイム誌などを出すと、そのスピードの違いが歴然とする。Mozilla も Netscape も表示にかかった秒数が、ブラウザの左下に示される。 このOSにはReal Player も付属している(もちろんウィンドウズ・メディア・プレーヤーは入っていない!)したがって、BBC放送など、これを用いることのできるインターネットラジオは、問題なく聞くことができた。 Lycoris 英語版をインストール後、さまざまなことを試したが問題点を以下の通り列記しておく。(2003年11月現在)
Lindowsはすでにアメリカでは安定して成長しており、プリインストールされたパソコンも多数出回っている。そしていよいよ日本にも登場したわけだ。 OSだけが6800円、OSプラスは14800円だが、この「プラス」というのは、専用アプリケーションのダウンロードの権利を含んだものだから、当然後者を買わないわけにはいかない。言い換えると、CDの方にはあまりアプリケーションをバンドルせず、ダウンロードの権利を買わせることによって収入を得ると言うことらしい。これまでリナックス普及の足かせになっていたのは、取り扱いの難しさの他に、すでに豊富に出回っているウィンドウズのようなアプリケーションが使えないため、新たにアプリケーションを買い求める必要があったからである。これからはゲームからCD焼き込みまで、ありとあらゆる種類がそろっているという。その点からすれば14800−6800の8000円は格安といえる。 それにやっと使い慣れたウィンドウズを毎日快適に使っている人は、当然のことながら新しいものに保守的になる。私のようにわざわざOS無しの実験機を買う人は、知識の有無に関わらずパソコン「オタク」の部類に入るであろう。
これならパソコンの知識のない人でもまったく苦痛を覚えない。しかもこの人を食った名前の通り、使い方は普通のウィンドウズとほとんどかわりはない。 最初の起動にやや時間がかかる(この点はLycorisでも同じで、Linux共通の現象か?)。また、外側の覆いは違っても中心部は、LindowsもLycorisもみな同じなのだとわかる。Linux の言語を知っている人のためにちゃんといずれもコマンドを打ち込む部分が用意されている(もちろん素人はさわってはいけないところ!)。 バンドルされているブラウザはLycorisと同じく Mozilla 系統である。ただ名前はLindows Internet Suiteとなっている。Netscape と基本的に機能は同じ。ブラウザ表示スピードは快適だ。同じ条件でXPと比較してみたい。目障りなポップアップ広告を表示しないようにできるのでありがたい。付属のメールを設定して、送信・受信成功。ふだんはウェブ・メールを使っているが、メールソフトの方も必要とあらば使えることがわかった。設定はOutlook とほぼ同じ。 日本語入力にはATOKのLinnux版がバンドルされている。これはシフトとスペースキーを押すと、「あ連R漢」が出てくるが、これがわかるまでおおさがしだった。しかも出てくる表示がとても小さくて見にくい。しかもこれをあれこれいじくり回しているうちにOSがフリーズした! 日本語版であるから当然日本語はきれいに出るが、フォントが古めかしい。いずれは違ったタイプに取り替えたい。インターネット・ラジオはリアル・プレーヤーを使っており、BBC, RFIなどいずれも良好に聞こえる。ウィンドウズメディアプレーヤーを使ったもの以外はみなOKのようだ。 さて、目玉であるアプリケーションを自由にインストールできる機能はCrick-N-Runという。自分のOSにあるシリアル番号を入力して登録すると以後はパスワードだけでインストールし放題である。ほとんどのインストールは3分もかからないし、ボタン一つで何も手間は要らない。
このほか音楽ファイルをダウンロードして聞ける「Freeamp」、デジカメのの画像を加工、表示できる「Digkam」を入れてみたが、使用試験はこれからである。 なお、早速日本の出版社でもリンドウズに関するムックが出版された(定価1419円+税)。「Lindows World 」といい、発行元は(株)アイ・ディ・ジー・ジャパンで、月刊誌「Linux World」を出している会社である。 |