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音声できくスペイン語のあいさつ
広域言語 スペイン語がこんなにも世界的に重要な言語になってしまったのは、新大陸発見時代にスペンが南アメリカ、中央アメリカを中心に植民地化したことに他なりません。ブラジルだけはポルトガル語が話されていますが、実はヨーロッパでは、スペインとポルトガルはイベリア半島の隣同士。大体のことならお互いに用が足せてしまいます。さらに、南アメリカにはイタリア出身者が多い。これもヨーロッパに戻れば、イタリアの国の中でスペイン語で用が足せる。ラテン系の言葉はこのようにかなり近い関係で結ばれているのです。(フランス語は必ずしもそうではないが) やさしい発音 スペイン語を初めて最初に感動することは発音のしやすさでしょう。母音は「アエイオウ」と日本語と同じ。子音には若干新しく覚えなければならないものもあるが、英語などと比べれば語句わずか。従って、全く知らない単語だらけのスペイン語の文でも何とか読めるようになってしまう。英語の場合、知らない単語が多いと口に出して読むことが非常に困難なのとは対照的です。これはイタリア語にも言えることです。これから習おうとしていることが口に出して言えるとは、実に心強いことでしょう。 ただし、日本語と少々異なるのは、[ g ] や[ j ] でで綴られる、のどの奥から強く出す「ハ行」音、[ c ] と [ z ] で綴られる、英語の綴りでは[ th ]で表される音、綴りが [ ll ]となっていて、地域によって「ヤ行」の音あるいは「ジャ行」の音に近いもの、綴りが[ rr ]となっていて「ルルル・・・」と舌をふるわせるもの、有名なエルニーニョでも使われている[ ñ ]で表す「ニャ行」音などです。 又、日本語の50音は、ka, ki, ku, ke, ko のように、必ず「子音+母音」のついで発音されますが、その癖を他国の発音に持ち込むと、全くの日本式の発音になってしまいますから注意が必要です。スペイン語は、英語と同じく母音を介さずに子音が連続するのです。たとえば Gracias を日本式に発音すると、ローマ字綴りのごとく、Gurashiasu になってしまいます。スペイン語は、英語と同じく母音を介さずに子音が連続するのです。 男性、女性名詞 英語を除くほとんどのヨーロッパ系の言語は男性、女性名詞と分けられています。この「性」に対するこだわりの理由は今ひとつはっきりしませんが、スペイン語もその例に漏れず区別をして運用しなければなりません。幸いなことに、語尾がoで終わるかaで終わるかによって大部分は区別が付くのでたとえばフランス語の場合と比較するとだいぶ楽です。ただ、英語やフランス語の知識のある人にとっては、語彙の問題はそれほどではありません。多くが語源の点で似ており、類推で知ることもかなりできるからです。 一致 ただ、名詞を修飾する場合、形容詞はその名詞の持つ性によって形を変えなければなりません。このことはやはり英語以外のほとんどのヨーロッパ語に言えることですが、大昔のラテン語がもっと複雑な活用や一致の法則を持っていたことを考えるとこれでもずいぶん単純化されたのです。言葉の変化は国民性によっても異なりますが意外と保守的なもので、使っている人々自身がいったん慣れてしまえば、外から見て不合理そうな規則でも、すんなり受け入れられてしまうものなのです。 主要動詞 英語のbe動詞は「ある」(存在)と「・・・です」(連結)のふたつの働きを兼ね備えています。ところがスペイン語ではおおざっっぱに、前者は estar であり、後者は ser と分けられています。なお「・・・です」であってもそれが一時的な状態の場合は ser を使います。このふたつの動詞のほかに英語の do にあたる hacer を加えて主要動詞とします。少なくともこの3つの動詞活用はなんとしても覚えておかなければならないのです。 ¿?¡! スペイン語を読んでいると逆さまの ¿ や ¡ が文頭についていますが、このように習慣として疑問符や感嘆符を文の前後につけることになっています。文全体を読む前に感嘆文か疑問文かわかってしまうという利点があります。
動詞活用 スペイン語の活用はかなり複雑です。まずはすべてのもとになる不定形があって、これが、人称(1・2・3の単数・複数)6種類にわかれます。不規則動詞は大きく分けて5種類ですが、それぞれ内部にはある程度の規則性があって、その系統に属するものはその特有のパターンで覚えてゆきます。 文型 だいたいフランス語に似ていて、直接目的語「・・・を」間接目的語「・・・に」とそれぞれ決まった代名詞があり、その語順も決まっています。また英語の to に当たる前置詞 a があって、それを間接目的語の代用にすることもできます。直接目的語の代名詞をきちんと覚えておかなければならないのは、これを文頭にして、最後に主語をつけるという変わった動詞(好き、うっとりさせる、興味を持たせる)の一群があるからです。 時制 普通の現実を表す直説法では全部で9種類あり、語尾変化だけで表す「単純時制」は現在形と未来形があります。未来形は活用が比較的規則的です。これに普通使いませんが、過去未来形もあります。過去形は二種類に分かれ、まず点過去(完了過去)というのは過去のある時点における「行為」を表します。多少とも不規則な活用が混じっています。これに対し線過去(不完了過去)というのは、過去における「状態」「繰り返し」などを示すのに使われます。完了過去と不完了過去の文をうまく組み合わせることにより、さまざまな表現が可能になります。「彼女に電話したけれど(完了過去)彼女は家にいなかった(不完了過去)」「彼らが食事をしていたら(不完了過去)、父親が戻ってきた(完了過去)」 これに対し「複合時制」は haber という動詞を助動詞代わりにしてそのあとに動詞の過去分詞形を取り付けるので、英語とそっくりです。 haber の現在形と過去分詞の組み合わせが現在完了、 haber の過去形と過去分詞の組み合わせが過去完了、 haber の未来形と過去分詞の組み合わせが未来完了となり、ここまでは英語に似ています。ところが、 habler の過去未来と過去分詞との組み合わせがあって、これは現在では滅多に使いませんが、過去未来完了と呼びます。
法 直説法の他に、命令法と接続法の二つがあります。命令法は(親しい)君、とその否定形、(親しい)君たち、あなた、あなた方、とその否定形と合計6種類の相手によって活用が変わり、不規則も少なくない難物です。それぞれニュアンスの違う命令を生じますが、どうしてこれに限ってこんなに複雑になってしまったのでしょうか。接続法とは、英語が昔捨ててしまった表現方法で、英語の接続詞 that に当たる que などに導かれる文中で、話しての態度や心の状態を示すのに使われます。接続法にも時制があって、現在、現在完了、過去k、過去完了の4つです。 学習書 白水社の「エクスプレス・スペイン語」を使いました。全部で20課あり、文法の基礎を学ぶことができます。すでに述べた時制をすべて覚えることよりも、重要単語を含んだ基礎例文のマスターのほうが大切です。スペイン語の教科書は、英語などと違って学習者の数が問題少ないのですが、最近は次々と新しい編集のものが登場しています。中には海外旅行の即席ものも少なくありませんが。理屈は後回しでも、テープを聴いて、自分でも発音して暗唱し、早いところ音声にはなじんでしまって下さい。音声こそ言語の基礎ですから。
スペイン語に関しては、手頃なテキストを見つけました。東進ブックスの一つ、「今すぐ話せるスペイン語・自由自在」です。これは「入門編」「応用編」と共に3部作となっていますが、白水社のエクスプレス・シリーズは、はじめの二つのレベルぐらいまで行っているので、多少とも単語面では苦労するにしても、この「自由自在編」が中級以上へ力を伸ばそうと志す方には有効かと思います。しかもしっかりしたCDが二枚ついており、リスニング面でも確実な力がつきそうです。
以後随時更新します 1999年2月初稿作成 2005年10月改訂・増補 |